医療費助成制度
指定難病患者さんへの医療費助成制度(以降、医療費助成制度)とは指定難病の患者さんの医療費の自己負担額に上限を設けた制度です。
ベーチェット病は、指定難病に指定されています。ベーチェット病で一定の基準(ベーチェット病重症度基準でStage Ⅱ以上)に該当する患者さん、ベーチェット病に関連する医療費の総額が33,330円を超える月が年間3回以上ある患者さんでは、申請し認定されるとそれぞれ「一般」、「軽症高額該当」の医療費助成を受けられます。
医療費助成の申請・認定に関する流れを確認してみましょう。
該当する部分をクリックすると、対応する解説が表示されます。
※医療費助成の申請に必要な書類の一つです。
1,2)より作図
1) 難病情報センター: 指定難病患者への医療費助成制度のご案内(https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460)(2019年5月時点)
2) 東京保険医協会:「 重症度分類」と「軽症かつ高額」(https://www.hokeni.org/docs/2018020200032)(2019年5月時点)
ベーチェット病患者さんとご家族の方へ
指定難病患者さんへの医療費助成制度について
ベーチェット病患者さんへの医療費助成制度について、制度のこと、利用方法など
について分かりやすく解説した冊子です。
都道府県・指定都市から指定を受けた難病指定医に限り、申請に必要な診断書(臨床調査個人票)を作成することができます。難病指定医については都道府県・指定都市、難病情報センターのホームページを参照ください。
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp一般の医療費助成は、ベーチェット病重症度基準でStage Ⅱ以上の患者さんが対象となります。
ベーチェット病重症度基準
Stage | 内 容 |
---|---|
Ⅰ | 眼症状以外の主症状(口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、外陰部潰瘍)のみられるもの |
Ⅱ | Stage Ⅰの症状に眼症状として虹彩毛様体炎が加わったもの Stage Ⅰの症状に関節炎や副睾丸炎が加わったもの |
Ⅲ | 網脈絡膜炎がみられるもの |
Ⅳ | 失明の可能性があるか、失明に至った網脈絡膜炎及びその他の眼合併症を有するもの 活動性、ないし重度の後遺症を残す特殊病型(腸管ベーチェット病、血管ベーチェット病、神経ベーチェット病)である |
Ⅴ | 生命予後に危険のある特殊病型ベーチェット病である 慢性進行型神経ベーチェット病である |
水木信久 他:厚生労働科学研究費補助金 ベーチェット病に関する調査研究 平成26-28年度総括・分担研究報告書, 2017
一般の医療費助成の認定を受けるには、申請に必要な書類を準備し、都道府県・指定都市の担当窓口に提出します※1。提出された書類は都道府県・指定都市により審査され、認定が決定された患者さんには「特定医療費(指定難病)受給者証」と「自己負担上限額管理票」が交付されます。有効期間は申請した日から原則1年以内です。
※1 担当窓口は都道府県・指定都市により異なります。お住まいの都道府県・指定都市の担当窓口にお問い合わせください。
一般の申請から特定医療費(指定難病)受給者証の交付までの流れ1)
申請には以下の書類が必要です。お住まいの都道府県・指定都市の担当窓口などで入手してください。
(申請書類※2)
・支給認定申請書 ・診断書(臨床調査個人票) ・世帯全員の住民票(3ヵ月以内のもの) ・区市町村・県民税(非)課税証明書 ・保険証のコピー
・加入している医療保険に都道府県・指定都市が所得区分を確認するために必要な同意書 など
※2 都道府県・指定都市により申請に必要な書類が異なる場合があります。また、マイナンバーの提出により申請に必要な書類の一部を省略できる場合があります。詳しくはお住まいの都道府県・指定都市の担当窓口にご確認ください。
1)難病情報センター:指定難病患者への医療費助成制度のご案内(http://www.nanbyou.or.jp/entry/5460)(2019年5月時点)より改変
軽症高額該当の医療費助成は、ベーチェット病重症度基準でStage Ⅰの患者さんのうち、ベーチェット病に関連する医療費の総額が33,330円を超える月が、過去12ヵ月以内※1において3回以上ある患者さんが対象となります。
1-3)より作図
※1 ベーチェット病と診断されてから12ヵ月が経過していない場合は、医師が発症を認めた月から申請した月までの間
※2 月の途中で月の医療費の総額が33,330円を超えたことを確認し担当窓口に申請した場合、医療費助成の認定日は申請した日となります。
※3 医療費助成の開始時期は「その基準を満たした日の翌日」で、遡り期間は原則として申請日から1ヵ月となります。
やむを得ない理由[例:診断書(臨床調査個人票)の受領に時間を要した、診断後すぐに入院することになった、大規模災害に被災したなど]により診断日から1ヵ月以内に申請を行わなかった場合は、最長3ヵ月まで延長されます。
1)難病情報センター:指定難病患者への医療費助成制度のご案内(https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460)(2024年3月時点)より改変
2)難病情報センター:軽症高額該当について 高額かつ長期について(https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/2022/09/keikasoti20221001.pdf)
3)東京都保健医療局:特定医療費(指定難病)及び東京都単独疾病に対する医療費助成開始時期の前倒しについて(令和5年10月1日から)
(https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/nanbyo/portal/seido/maedaoshi.html)
軽症高額該当の医療費助成の認定を受けるには、申請に必要な書類を準備し、都道府県・指定都市の担当窓口に提出します※1。提出された書類は都道府県・指定都市により審査され、認定が決定された患者さんには「特定医療費(指定難病)受給者証」と「自己負担上限額管理票」が交付されます。有効期間は申請した日から原則1年以内です。
※1 担当窓口は都道府県・指定都市により異なります。お住まいの都道府県・指定都市の担当窓口にお問い合わせください。
軽症高額該当の申請から特定医療費(指定難病)受給者証の交付までの流れ1-3)
申請には以下の書類が必要です。お住まいの都道府県・指定都市の担当窓口などで入手してください。
(申請書類※2)
・支給認定申請書 ・診断書(臨床調査個人票) ・世帯全員の住民票(3ヵ月以内のもの) ・区市町村・県民税(非)課税証明書 ・保険証のコピー
・加入している医療保険に都道府県・指定都市が所得区分を確認するために必要な同意書
・ベーチェット病に関連する医療費の総額が33,330円を超える月が3回以上あったことを確認できる資料 など
※2 都道府県・指定都市により申請に必要な書類が異なる場合があります。また、マイナンバーの提出により申請に必要な書類の一部を省略できる場合があります。詳しくはお住まいの都道府県・指定都市の担当窓口にご確認ください。
1)難病情報センター:指定難病患者への医療費助成制度のご案内(https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460)(2024年3月時点)より改変
2)難病情報センター:軽症高額該当について 高額かつ長期について(https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/2022/09/keikasoti20221001.pdf)
3)東京都保健医療局:東京都の難病医療費等助成制度の御案内
(https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/nanbyo/portal/seido/shinsei.files/iryohigoannnai.pdf)
医療費助成が認定された患者さんでは、各指定医療機関※1でのベーチェット病に関連する医療費の自己負担の割合が2割に抑えられます※2。そのうえで、1ヵ月間のうち、月初めから支払った自己負担の累積額が、世帯※3の所得に応じた自己負担上限額に達した場合、その月はその金額を超える自己負担の支払いが免除されます※4。
※1 都道府県・指定都市から指定を受けた病院、診療所、薬局、訪問看護ステーション。地域の指定医療機関についてはお住まいの都道府県・指定都市の窓口・ホームページ、または難病情報センターのホームページをご確認ください。
※2 もともとの自己負担割合が1割または2割の場合変更はありません。
※3 患者さんが加入している公的医療保険上の「世帯」が単位となります。例として祖父、父、母、子の4人家族を考えた場合、住民票上は4人で1世帯となりますが、医療費助成制度における世帯は、祖父が国民健康保険に加入、父と母が同じ被用者保険に加入、子が別の被用者保険に加入している場合、祖父で1世帯、父と母で1世帯、子で1世帯に分かれます。
※4 医療費助成の認定後は、指定医療機関の窓口での自己負担の割合が2割に抑えられますが、1ヵ月間の医療費の2割と自己負担上限額(月額)を比較したとき、医療費の2割の方が上回る場合は、自己負担上限額(月額)が実際の負担額になります。
医療費助成における自己負担上限額(月額)1)
階層区分 | 階層区分の基準 (カッコ内の数字は、夫婦2人世帯の場合における年収の目安) |
自己負担上限額(外来+入院)(患者負担割合:2割) | |||
---|---|---|---|---|---|
一般/ 軽症高額該当※5 |
高額かつ 長期※6 |
||||
人工呼吸器等 装着者 |
|||||
生活保護 | ー | 0円 | 0円 | 0円 | |
低所得 Ⅰ | 区市町村民税 非課税(世帯) |
本人年収80万円以下 | 2,500円 | 2,500円 | 1,000円 |
低所得 Ⅱ | 本人年収80万円超 | 5,000円 | 5,000円 | ||
一般所得 Ⅰ | 区市町村民税課税以上7.1万円未満 (約160~370万円) |
10,000円 | 5,000円 | ||
一般所得 Ⅱ | 区市町村民税7.1万円以上25.1万円未満 (約370~810万円) |
20,000円 | 10,000円 | ||
上位所得 | 区市町村民税25.1万円以上 (約810万円以上) |
30,000円 | 20,000円 | ||
入院時の食事 | 全額自己負担 |
※5 医療費の総額が33,330円を超える月が年間3回以上(例えば医療保険の3割負担の場合、医療費の自己負担がおよそ1万円を超える月が年間3回以上)ある患者さんが対象になります。
※6 医療費の総額が5万円を超える月が年間6回以上(例えば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円を超える月が年間6回以上)ある患者さんが対象になります。
1)難病情報センター:指定難病患者への医療費助成制度のご案内(http://www.nanbyou.or.jp/entry/5460)(2019年5月時点)より改変
医療費助成が認定された患者さんのうち、高額な医療が長期的に継続する患者さんでは、一般所得・上位所得の世帯の場合、自己負担上限額がより軽減された「高額かつ長期」の医療費助成を受けられます。
高額かつ長期の医療費助成は、一般所得・上位所得の世帯の患者さんのうち、ベーチェット病に関連する医療費の総額が50,000円を超える月が、過去12ヵ月以内に6回以上ある患者さんが対象となります1-3)。
1-3)より作図
※1 有効期間は現受給者証の有効期間の末日までです。
※2 医療費助成の開始時期は「重症度分類を満たしていることを診断した日」で、遡り期間は原則として申請日から1ヵ月となります。
やむを得ない理由[例:診断書(臨床調査個人票)の受領に時間を要した、診断後すぐに入院することになった、大規模災害に被災したなど]により診断日から1ヵ月以内に申請を行わなかった場合は、最長3ヵ月まで延長されます。
1)難病情報センター:指定難病患者への医療費助成制度のご案内(https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460)(2024年3月時点)より改変
2)難病情報センター:軽症高額該当について 高額かつ長期について(https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/2022/09/keikasoti20221001.pdf)
3)東京都保健医療局:特定医療費(指定難病)及び東京都単独疾病に対する医療費助成開始時期の前倒しについて(令和5年10月1日から)
(https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/nanbyo/portal/seido/maedaoshi.html)
高額かつ長期の医療費助成の認定を受けるには、申請に必要な書類を準備し、都道府県・指定都市の担当窓口に提出します※1。提出された書類は都道府県・指定都市により審査され、認定が決定された患者さんには新たに「特定医療費(指定難病)受給者証」が交付されます。有効期間は、申請した月の翌月(申請日が1日の場合はその月)から、お手持ちの特定医療費(指定難病)受給者証の有効期間の末日までです1)。
※1 担当窓口は都道府県・指定都市により異なります。お住まいの都道府県・指定都市の担当窓口にお問い合わせください。
高額かつ長期の申請から特定医療費(指定難病)受給者証の交付までの流れ2,3)
高額かつ長期の申請をする場合には以下の書類が必要です。
(申請書類※2)
・支給認定変更申請書
・自己負担上限額管理票 など
※2 都道府県・指定都市により申請書類が異なる場合がありますので、お住まいの都道府県・指定都市の担当窓口にご確認ください。
1) 東京都保健医療局:特定医療費(指定難病)及び東京都単独疾病に対する医療費助成開始時期の前倒しについて(令和5年10月1日から)
(https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/nanbyo/portal/seido/maedaoshi.html)
2)難病情報センター:軽症高額該当について 高額かつ長期について(https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/2022/09/keikasoti20221001.pdf)
3)東京都保健医療局:高額かつ長期の認定要件について
(https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/nanbyo/portal/seido/kogakuchoki.files/30.1kogaku_choki.pdf)
高額かつ長期の医療費助成が認定された患者さんでは、世帯の所得に応じて自己負担上限額がより軽減された医療費助成を受けられます。
医療費助成における自己負担上限額(月額)1)
階層区分 | 階層区分の基準 (カッコ内の数字は、夫婦2人世帯の場合における年収の目安) |
自己負担上限額(外来+入院)(患者負担割合:2割) | |||
---|---|---|---|---|---|
一般/ 軽症高額該当※1 |
高額かつ 長期※2 |
||||
人工呼吸器等 装着者 |
|||||
生活保護 | ー | 0円 | 0円 | 0円 | |
低所得 Ⅰ | 区市町村民税 非課税(世帯) |
本人年収80万円以下 | 2,500円 | 2,500円 | 1,000円 |
低所得 Ⅱ | 本人年収80万円超 | 5,000円 | 5,000円 | ||
一般所得 Ⅰ | 区市町村民税課税以上7.1万円未満 (約160~370万円) |
10,000円 | 5,000円 | ||
一般所得 Ⅱ | 区市町村民税7.1万円以上25.1万円未満 (約370~810万円) |
20,000円 | 10,000円 | ||
上位所得 | 区市町村民税25.1万円以上 (約810万円以上) |
30,000円 | 20,000円 | ||
入院時の食事 | 全額自己負担 |
※1 医療費の総額が33,330円を超える月が年間3回以上(例えば医療保険の3割負担の場合、医療費の自己負担がおよそ1万円を超える月が年間3回以上)ある患者さんが対象になります。
※2 医療費の総額が5万円を超える月が年間6回以上(例えば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円を超える月が年間6回以上)ある患者さんが対象になります。
1)難病情報センター:指定難病患者への医療費助成制度のご案内(http://www.nanbyou.or.jp/entry/5460)(2019年5月時点)より改変